レーザー変位計の種類とは?方式・特徴・選び方を図解で解説

比較・違い

レーザー変位計は、非接触で厚みや段差、形状を高精度に測れる便利な計測器ですが、測定方式や対応する対象が幅広く、初めてだと「どの種類を選べばいいのか分からない」となりがちです。本記事では、レーザー変位計の種類を「測定方式」と「測る次元(点・線・面)」の2つの軸で整理し、それぞれの特徴と選び方を、メーカー技術資料の裏取り付きで図解します。

変位計そのものの全体像(種類・原理・用途・選び方)は、まとめ記事「変位計とは?原理・種類・用途を徹底解説」で解説しています。

この記事の結論(先に要点)

  • レーザー変位計の種類は「測定方式」と「測る次元(1D/2D/3D)」で整理できる
  • 測定方式は主に三角測距式・共焦点式・分光干渉式の3系統。対象の材質や必要精度で使い分けます。
  • 「点(1D)・線(2D)・面(3D)」のどれで測るかも選定の軸。1点なら1次元、断面なら2次元、立体なら3次元。
  • 迷ったら「対象材質・必要精度・点か面か・予算」の4軸で絞ります。

レーザー変位計とは:なぜ種類が多いのか

レーザー変位計は、対象物にレーザー光を当て、その反射から距離や変位を非接触で測る計測器です。厚み・幅・段差・高さ・振れ・振動・形状など、測りたい対象が幅広く、求められる精度もµm(マイクロメートル)からnm(ナノメートル)まで大きく異なります。この「対象と精度の幅広さ」に応えるため、原理の異なる複数の方式と、点・線・面それぞれに対応した製品がそろっており、結果として種類が多くなっています。

基本原理:三角測距方式

最も一般的なレーザー変位計の原理が三角測距方式です。半導体レーザから照射した光が対象で反射し、受光レンズを通って受光素子上に結像します。対象までの距離が変わると結像位置がずれ、そのずれ量から距離を算出します(図1)。受光量ではなく受光位置の変化を見るため、材質・色・傾きの影響を受けにくいのが利点です。

センサ本体 投光部 受光素子 レーザー投光 反射光 基準位置の対象 移動後の対象 変位量
図1:三角測距の原理。対象が動くと反射光が受光素子上で移動し、その量から距離を算出する。

測定方式による種類(3つの原理)

レーザー変位計は、光の使い方によって主に次の3方式に分かれます。

① 三角測距式:最も汎用的

上記の三角測距を使う、最も広く使われる方式です。幅広い素材・サイズに対応し、高速・高精度で汎用性が高いのが強み。分解能はµm級が中心で、樹脂・金属・ガラスなど多くの素材を測れます。一方で、鏡面や透明体、強い傾きのある面はやや苦手です。

② 共焦点式:透明体・高精度に強い

波長ごとに焦点距離が異なる光を使い、対象で焦点が合った波長だけを受光して距離を求めます。nmオーダーの高分解能を持ち、材質や傾きの影響を受けにくいため、透明なガラスやフィルム、鏡面、傾いた面の測定に向きます。測定範囲は比較的狭めです。

③ 分光干渉式:薄膜・超高精度

広帯域の光を使い、対象からの反射光と参照光の干渉を波長ごとに解析して距離を求めます。1nm級の繰返し精度と微小スポットを両立でき、薄膜の厚みや微小部品の高精度計測に用いられます。

「点・線・面」で選ぶ:1D/2D/3D

方式と並んで大事なのが、点・線・面のどれで測るかという「次元」の違いです(図2)。測りたいのが1点の値なのか、断面の形状なのか、立体の全体なのかで、選ぶタイプが変わります。

1次元(点) 1点の距離・厚み・段差 センサ 1本のレーザーで1点を測る 2次元(線) 断面プロファイル・形状 センサ 線状のレーザーで断面を測る 3次元(面) 立体形状・全体 センサ 面で測り立体形状を得る
図2:1次元(点)・2次元(線・断面)・3次元(面・立体)の違い。

1次元(点)タイプ

1本のレーザで1点の距離・厚み・段差・振動を測ります。最も基本的で、汎用・低価格タイプから高精度タイプまで幅広くそろいます。

2次元(線)タイプ

線状のレーザ(ラインレーザ)で断面プロファイルを取得します。ヘッドを動かさずに段差や形状を測れるのが強みで、光切断式とも呼ばれます。

3次元(面)タイプ

面をスキャンして立体形状を得ます。オートスキャン型のレーザプロファイラなどがあり、外観・体積・全体形状の検査に使われます。

種類別まるわかり比較表

※分解能は一般的な目安です。対象や機種で大きく変わるため、選定時は各製品の仕様を必ず確認してください。

種類測定原理次元分解能の目安得意な対象
三角測距式反射光の結像位置のずれ1D(点)µm級汎用・多素材の距離/厚み/段差/振動
共焦点式焦点が合った波長を受光1D(点)nm級透明体・鏡面・傾いた面
分光干渉式反射光と参照光の干渉1D(点)1nm級薄膜・微小部品・超高精度
ラインレーザ式線状レーザで断面を走査2D(線)µm級断面プロファイル・段差・形状
レーザプロファイラ面をスキャン3D(面)µm級立体形状・外観・全体

失敗しない選び方:4つの軸

1. 対象の材質・状態

透明体や鏡面・傾いた面が多いなら共焦点式、薄膜なら分光干渉式、一般面や多素材なら三角測距式が第一候補です。

2. 必要な精度・分解能

µm級で足りるか、nm級が要るか。高精度側ほど共焦点・分光干渉が候補になります。過剰な精度はコスト増につながります。

3. 点か線か面か

1点の距離・厚みなら1次元、断面プロファイルなら2次元、立体形状なら3次元。測りたい対象の広がりで選びます。

4. 速度・予算・設置条件

高速・高精度なほど上位機になります。汎用でコストを抑えたいなら1次元の三角測距式が手頃です。設置スペースや測定距離も確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. レーザー変位計にはどんな種類がありますか?
A. 測定方式では三角測距式・共焦点式・分光干渉式、測る次元では1次元(点)・2次元(線)・3次元(面)に分けられます。

Q. 透明なフィルムやガラスの厚みを測れる種類は?
A. 共焦点式が適します。透明体や鏡面、傾いた面にも強く、薄膜なら分光干渉式も有力です。

Q. いちばん汎用的な種類はどれですか?
A. 三角測距式です。多くの素材に対応し、高速・高精度でコストのバランスも良いため、最も広く使われています。

Q. 1次元と2次元・3次元はどう違いますか?
A. 1次元は点、2次元は線(断面)、3次元は面(立体)を測ります。測りたいのが1点の値か形状全体かで選びます。

Q. 種類を選ぶときの基準は?
A. 対象材質・必要精度・点か面か・速度と予算の4点で絞るのが近道です。

Q. 種類が多すぎて選べないときは?
A. まず「点か面か」で大きく絞り、次に「対象の材質」で方式を決めると、候補が一気に絞られます。判断に迷うときは、測定対象と必要精度をメーカーに伝えて相談するのも確実です。

まとめ

レーザー変位計の種類は、「測定方式(三角測距・共焦点・分光干渉)」と「測る次元(1D/2D/3D)」の2軸で整理すると分かりやすくなります。まずは「何を・どの精度で・点か面か」を明確にし、対象材質に合う方式から候補を絞るのが、迷わない選び方です。数値は目安のため、最終的には各製品の仕様で確認してください。

出典(一次情報)

  • オプテックス・エフエー|レーザ変位センサ 製品一覧・基礎知識 optex-fa.jp
  • evort|レーザ変位センサ 用途に応じた種類や選び方 evort.jp
  • Micro-Epsilon|非接触変位センサ(測定原理) micro-epsilon.jp
  • オムロン|変位センサ/測長センサ 用語解説 fa.omron.co.jp

※ 精度・分解能などの数値は一般的な目安であり、実際の仕様は各メーカー・機種のカタログをご確認ください。

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